父親から見た子供たち
我が家のアトリエとの出会いは長女が1歳の時、自宅に配布されたチラシを見た妻が絵本を買いたいと言ったのが始まりでした。それをきっかけとして、後にアトリエに通うようになり、あっという間に10年が経過しました。今回、活動日記に寄稿するにあたり、父親の目から見た子供達の様子をご紹介させていただきます。
長女は3歳から続けています。中学生になってからは部活等で忙しく、月1回のペースで通っています。このため父がアトリエの様子を見る機会は少ないのですが、活動後に先生たちから話を伺うと、同年代のお姉さん達と女子トークを楽しんだりしながら伸び伸びとしているようです。夏休みや冬休みには、弟妹を連れJRとバスを乗り継いでアトリエまで通うという頼りになる面を見せてくれますが、最近ではテスト前夜に父を家庭教師代わりにコキ使うという逞しさまで身に着けてしまったようです。
長男は言葉を話し出す前の1歳から。オムツでパンパンになったズボンを穿き、自信満々でアトリエ内を縦横無尽に活動していました。しかし、上と下を女の子に挟まれているためか、成長するにつれて控え目な性格に変わってきました。一方で、曲がったことを嫌い、それが行き過ぎて他人の意見を聞かないという頑固な一面を見せた時期もありました。小学校高学年に入り様々な経験を積んできたおかげで、周囲との関係と自分の気持ちの妥協点の見つけ方が上手になってきたように思います。
次女は2歳から。3人目ということもあり、始めるのはもう少し大きくなってからでもと考えていましたが、姉兄がアトリエをやっている間待ちきれずに、「しぇんしぇー!しぇんしぇー!」と叫びながら、戸をこじ開けて何とか中に入ろうとしていました。その熱意に両親は負けました。今では、我が家で一番の自由人で、やりたくないことを頼まれると聞こえないふりをします。その一方で、好きなことにはものすごい集中力を発揮します。「ゾーンに入る」とでも言いましょうか、表情の違いがハッキリと見て取れるのです。
このように物心ついた頃からアトリエに通うという恵まれた環境に慣れすぎたためか、長男と次女は、小学校に通い始めてすぐの頃アトリエをやめたいと言い出した事がありました。放課後に学校の友達と遊びたいというのが理由でしたが、いつの間にかそのようなことを言わなくなりました。最近では、特に積み木と料理が楽しみだと言っています。
自宅からアトリエまでは車で40分程掛かり、妻と私が半々の頻度で子供達に付き添っています。車内という空間が家とは違った距離感のため、子供たちが最近の出来事について話すだけではなく、私が子供の頃の話や近頃のニュースについて語る場にもなっており、これも大切な時間のひとつとなっています。
当初、妻が子供をアトリエに通わせたいと言った時、私としては英語の早期教育やそろばん等、将来的に学校の成績に関係するような習い事の方が子供のためになるのではないかと考えていました。私自身は、学生時代に学校以外で絵画や工作に触れる機会もなく、「提出課題が面倒」、「自分の絵を見られるのが恥ずかしい」という気持ちを持っていました。そのような私でも幼少期を思い返すと、誰に指示されるでもなく絵を描いたり、段ボール箱を組み合わせて家を作ったりして楽しんでいました。
子供達にとってのアトリエの居心地の良さというものは、自分の欲求に沿って作りたいように作った作品、言わば自分の分身ともいえる作品の良い点を見出され、褒められることによって自分自身が認められたという気持ちを持てるところだと思います。そして更にそれを受け、より自分らしく活動していくことができるという好循環を生み出しているのではないでしょうか。
私がこの10年で、どの程度理解出来たとは言い難いのですが、子供が本来持っている力そのものが素晴らしいこと、その力を引き出すことがその子にとっての幸福感に繋がるということが、子供達の成長とともに感じられるようになってきたと思います。もしかして、妻には最初からこの事が分かっていたのでしょうか?そうだとしたら・・・やはり母親には敵いませんね。
これからも、先生方をはじめとしたアトリエ関係者の皆様、また、同じ思いでアトリエに通っている皆様と共に子供達を見守りながら、この貴重な時間を自分自身の成長にも繋げていきたいと思います。
和久洋三のわくわく創造アトリエ 札幌中央プレイルーム
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